化粧品資格にはどんな種類がある?今後のキャリアに活かす方法も解説

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22.07.25資格

化粧品資格にはどんな種類がある?今後のキャリアに生かす方法も解説

多くの女性にとって身近な存在である化粧品。日常的に使用するものだからこそ、自分の肌質に合ったものを選んだり、メイクの正しい方法やコツを知りたいと感じています。そのような悩みを解決するうえで有効なのが、化粧品に関する専門資格です。

今回は、化粧品資格にはどのような種類があるのか、資格を取得することでどのようなキャリアに生かせるのか、資格ごとの難易度や有効な勉強方法なども合わせて紹介します。

化粧品資格の種類

化粧品関連の資格取得を目指すうえでは、どのような資格があるのかを把握しておく必要があります。そこで、日本国内で取得できる代表的な化粧品関連の資格を4つ紹介しましょう。

スキンケアアドバイザー

スキンケアアドバイザーは、一般社団法人日本スキンケア協会が運営している医師が監修した資格です。

化粧品選びに悩んでいる方のなかには、肌トラブルが起こりやすく自身の肌質と合った化粧品が分からないというケースも少なくありません。

そこで、スキンケアアドバイザーは、そのようなユーザーに向けて正しい化粧品選びのポイントやスキンケアのコツなどをアドバイスします。

スキンケアアドバイザーという名の通り、皮膚科学の基礎から肌トラブルの原因、化粧品科学まで学習内容は幅広く、実際にユーザーとの接客やカウンセリングのコツも範囲に含まれます。

なお、スキンケアアドバイザーを取得するためには、6ヶ月間にわたる通信講座を受講したうえで課題レポートを提出し、70%以上の正解率をクリアすることが条件となります。

『スキンケアの専門家としてステップアップしたい方や』、『様々な肌トラブルにもアドバイスできるようになりたい方』『接客術を基礎から学びたい方』など専門的な知識を取得したい方におすすめの資格です。美のプロフェッショナルである美容家やモデルやタレントの方も取得している資格になります。

URL:https://www.skincare.or.jp/skin_care_adviser.html

日本化粧品検定

日本化粧品検定は、一般社団法人 日本化粧品検定協会が運営している化粧品資格です。1級から3級までの3階級に分かれており、3級が「入門編」、2級が「基礎編」、1級が「応用編」として位置づけられています。

化粧品を正しく扱うためには、化粧品そのものに含まれる成分の違いはもちろんですが、皮膚科学や薬機法といった幅広い知識も求められます。いずれも専門的な内容ですが、日本化粧品検定の資格取得に向けて勉強することで体系的に知識を身につけることができます。

化粧品検定

化粧品検定は、先ほど紹介した日本化粧品検定と名称が似ていますが、一般社団法人 日本コスメティック協会が運営している資格であり運営元が異なります。

化粧品検定の前段的な資格試験として化粧品基礎検定があり、その上位試験にあたるのが化粧品検定です。なお、化粧品基礎検定および化粧品検定に合格した後、所定の認定登録手続きを行うことで「コスメマイスター・ライト」、「コスメマイスター」がそれぞれ認定されます。

化粧品検定の大きな特徴は、オンラインでの受験に対応していることです。試験会場まで訪問することなく、自宅にPCがあれば手軽に受験できるため、仕事や家事、子育てに忙しくまとまった時間が確保できない方でも安心して受験可能です。

美容薬学検定

美容薬学検定はその名の通り、美容分野に関する薬学的な知識を評価するための試験であり、特定非営利活動法人 日本セルフケア支援薬剤師センターが運営しています。美容分野に関連するものが全般的に出題され、化粧品はもちろんサプリメントや健康補助食品なども試験の対象に含まれます。

また、他の試験に比べて薬学的な知識が広く問われ、化粧品や食品などに含まれる成分名や効果なども覚えておく必要があります。

美容薬学検定は、消費者の目線に立って適切なアドバイスを提供できる人材の育成を目指してつくられました。そのため、コスメを販売する専門店のスタッフはもちろん、ドラッグストアや美容関係のアドバイザーなどからも人気のある資格です。

化粧品資格の難易度と合格率

上記で紹介した4つの化粧品資格について、多くの方が気になるのが試験の難易度や合格率ではないでしょうか。学習期間や試験対策をするにあたって、難易度と合格率はぜひ押さえておきたいポイントです。それぞれの資格別に詳しく紹介しましょう。

スキンケアアドバイザー

スキンケアアドバイザーを取得するためには通信講座の受講と課題レポートの提出が必須であり、単に受験料を支払えば受験できる資格ではありません。そのため、資格取得そのもののハードルが高いと感じる方も多いですが、通信講座の内容を把握できれば課題レポートの難易度は決して高くなく、合格率こそ公開されてはいないものの、無理なく合格できる資格といえます。

美容の専門家やプロフェッショナルとして活動したい方におすすめです。

日本化粧品検定

日本化粧品検定のWebサイトで公表されている第16回試験(2021年6月)の合格率は、1級が72.1%、2級が73.2%となっています。

運営元である日本化粧品検定協会では、公式テキストおよび問題集を販売しているほか、対策講座やセミナーも随時実施しています。そのため、テキストをしっかりと読み込み、問題集を繰り返し学習することで合格できる確率は高いといえるでしょう。

化粧品検定

日本コスメティック協会で公表されている化粧品検定(コスメマイスター)の合格率は85%となっています。化粧品資格のなかでも高い合格率を誇り、資格としての難易度は決して高くないといえるでしょう。

ただし、公式テキストや例題を繰り返し学習しておかないと、合格ラインに達しない可能性もあるため注意が必要です。

美容薬学検定

美容薬学検定を運営している薬学検定事務局では、合格率を公表していません。1級・2級ともに試験は同一で、獲得点数に応じて級が認定される方式を採用しています。2級は60%以上、1級は70%以上の正答率でそれぞれ合格となります。

試験そのものは決して難易度の高いものではなく、公式テキストや問題集を反復して学習しておけば無理なく合格が目指せるはずです。

化粧品資格が活用できる場面

化粧品資格を取得することで、どのようなキャリアにつながるのか疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。そこで、化粧品資格がどのような場面で役立つのか、今後のキャリアの参考にも役立つ情報を紹介します。

美容部員

美容部員とは、デパートやショッピングモール、ドラッグストアなどの化粧品売り場で接客・販売を担当するスタッフのことを指します。化粧品販売員ともよばれ、ユーザーの肌の悩みを聞きそれに合った化粧品をアドバイスし販売することが主なミッションです。

美容部員として働く際には、事前に研修などで商品知識を身につけることができるため、研修で学んだことをしっかりと押さえておけば商品知識としては問題ないでしょう。しかし、実際に接客にあたってみると、ユーザーからはさまざまな質問や問い合わせを受けることも多く、研修で学んだ商品知識だけでは対応できないことも少なくありません。

そこで、化粧品やスキンケアに関する専門的な知識が備わっていれば、接客の幅も広がり信頼を獲得しやすくなるでしょう。

メイクアップアーティスト

メイクアップアーティストとは、主にタレントやモデルなどのメイクを担当するスタッフのことを指します。テレビなどで芸能人が「メイクさん」とよぶことも多いため、仕事内容はイメージしやすいのではないでしょうか。

テレビや雑誌、映画など、人前に出ることが仕事であるため、メイクアップアーティストは個人の特徴に合わせた繊細な技術が求められます。化粧品資格を取得しておけば、肌の特性に合ったメイクのコツも習得できます。

美容師

美容師と聞くと髪のカットやカラーリング、パーマなどを行う専門職というイメージをもたれがちですが、実は着物の着付けやヘアメイクなどを行う美容室も存在します。成人式や結婚式などに参加する前に、美容室を利用する人も多いことから、化粧品資格をもっておくと美容師としての活躍の幅が広がります。

また、カットやカラーリングで訪れた人に対しても、メイクの悩みを聞きコツを教えたり、実際にメイクを施したりすることで信頼を獲得でき、リピートにつながることもあるでしょう。

エステティシャン

エステティシャンはスキンケアと関連性の高い職種のひとつです。たとえば、フェイシャルエステは顔のしわやたるみの改善、美白のための施術を行ったり、肌の悩みをヒアリングし的確なアドバイスをしたりすることもあります。

人によっても肌の状態はさまざまで、状況に応じたスキンケアをしなければなりません。化粧品資格を保有していることで来店したユーザーも安心して相談でき、的確な施術やアドバイスを行うことで次の来店につながることもあるでしょう。

化粧品メーカーへの転職

化粧品資格を生かせるキャリアや場面としては、メイクやエステに代表されるように顧客と直接向き合う仕事が多い傾向があります。しかし、これ以外にも、化粧品メーカーへの転職の際にもプラスに働くと考えられるでしょう。

女性をターゲットとした商品である以上、化粧品メーカーの女性比率は他の業種と比べても高い傾向にあります。女性にとって働きやすい環境も整備されており、会社員として着実にキャリアを積んでいきたいと考える方にとっては選択肢の一つに入るのではないでしょうか。

化粧品資格をもっていれば、化粧品の営業部門や開発部門など幅広いシーンで応用でき、キャリアの幅も広がっていくはずです。

化粧品資格を取得するための勉強方法

これから化粧品資格の取得を目指す場合、どのような勉強方法があるのでしょうか。資格によっても適した勉強方法は異なりますが、代表的な方法を3つ紹介しましょう。

独学

資格取得にかかる費用を最小限に抑えつつ、時間も有効に活用したい場合には独学がおすすめです。それぞれの資格に対応した公式テキストや問題集、その他教材を活用することで十分合格は狙えます。

また、化粧品資格の多くは難易度が高いとはいえず、しっかりと試験対策を行っていれば合格は可能です。

通信講座の受講

今回紹介したスキンケアアドバイザーなど、一部の資格は通信講座の受講が必須となっている場合もあります。そのため、そのような資格を取得する場合には通信講座を受講しましょう。

資格によっても通信講座の費用はまちまちですが、およそ5〜10万円前後のものがほとんど。このなかにはテキスト代や教材の費用なども含まれていることが多いため、それ以外の費用はかかりません。

ただし、通信講座は受講期間が定められています。たとえば、スキンケアアドバイザーの場合は原則6ヶ月間で、必要に応じてさらに6ヶ月間延長が可能です。学習時間を十分確保できる場合には、最短数週間程度で通信講座を修了できることもありますが、受講前にはあらかじめ細かな条件を確認しておきましょう。

セミナー・勉強会への参加

単に化粧品資格を取得して終わりではなく、資格勉強を通して幅広い知識を身につけたい方にはセミナーや勉強会への参加がおすすめです。独自に試験対策のセミナーや勉強会を実施している団体もあるほか、化粧品やスキンケアに関する最新情報を共有できるセミナーを行っているところも。

セミナーや勉強会へ参加することでさまざまな人との交流も生まれ、資格取得に向けたモチベーション維持にもつながるでしょう。また、さまざまな資格を保有している人から情報を収集することで、次に取得を目指すべき化粧品資格も見えてくることがあります。

美容部員になるには資格が必要?

化粧品資格の取得を目指している方のなかには、これから美容部員としての就職・転職を検討している方も少なくありません。しかし、化粧品を販売する美容部員として働くにあたって、化粧品に関する資格の取得は必須なのでしょうか。

結論からいえば、美容部員になるために必須となる資格はありません。実際に化粧品業界が未経験で一切の資格がなくてもキャリアをスタートさせる人も多く、売り場に立つ前には研修も行われます。

しかし、美容部員として接客をしていると、さまざまな質問を受けることも多いため、化粧品資格をもっていれば有利であることも事実です。美容部員として働き始めた後になってから、キャリアアップのために化粧品資格の取得に挑戦する人も珍しくありません。

これから美容部員として働くことを考えている方は、自分自身の武器として化粧品資格に挑戦してみるのもおすすめです。

化粧品資格を取得するメリット

美容部員に限らず、化粧品資格がなければ従事できないといった仕事や職種はありません。しかし、そうなると「化粧品資格をとってもあまり意味がないのでは?」と感じてしまう方もいるでしょう。化粧品資格を取得することで、どのようなメリットが得られるのかをあらためて整理してみます。

化粧品選びの知識が身につく

市販されている化粧品はいずれも安全性が高いものばかりですが、人によっては肌に合わないこともあります。また、自分に合うと思って買ってきた商品が、実際に使ってみると似合わなかったというケースもあるでしょう。

化粧品資格をもっていれば、自分自身の肌質に合う化粧品選びのポイントを正しく理解でき、購入時に失敗するリスクを減らすことができます。また、家族や友人、知人に対しても化粧品選びのアドバイスができます。

スキルアップ・キャリアアップにつながる

化粧品資格の多くは比較的難易度も低く、手軽に取得できることから趣味の一環として勉強している方も少なくありません。しかし、実際に化粧品資格の勉強をしてみるとさらに興味をもつようになり、仕事に生かしたいと考えるようになることもあります。

これまでやりたい仕事が見つからなかった、または今後のキャリアに悩んでいる方などにとっては、化粧品資格を取得することが人生の大きな転機になることもあるでしょう。

特別なセミナーやイベントに参加できる

化粧品資格に合格すると、資格を運営している団体や関連企業のセミナーやイベントに参加できることもあります。会員でなければ知ることのできない貴重な最新情報にも触れられ、仕事や趣味に生かせるはずです。

また、セミナーやイベントに参加した人同士で交流が生まれ、業界のさまざまな情報交換ができるのも大きな魅力のひとつ。主催団体によっては年会費がかかることも多いですが、その分の価値は十分得られるはずです。

就職・転職のサポートが受けられる

化粧品資格を運営している団体によっては、専門的な知識を生かせる求人情報が集まってくることも多く、就職や転職のサポートも受けられます。

ハローワークや一般的な就職サイト・転職サイトでは公開されていないような案件もあり、専門職としてのキャリアをスタートさせたい方にとっては大きな魅力といえるでしょう。

化粧品資格を取得しキャリアに生かそう

「なかなか好きな仕事が見つからない」、「今後のキャリアに悩んでいる」といった悩みを抱えている女性は少なくありません。もし、美容や化粧品といった業界に少しでも興味をもっていれば、まずは化粧品資格の取得に挑戦してみましょう。専門的な知識を身につけることで、今後自身が目指すべきキャリアの方向性が見えてくる可能性もあります。

今回紹介した化粧品資格以外にも、スキンケアや美容関連も含めると多種多様な資格が存在します。どの資格が自分にとって適しているのかを吟味しながら、今後のキャリアに役立てていきましょう。

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